自筆証書遺言

自筆証書遺言

自筆証書による遺言書の作成について解説しています。

目次

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自筆証書遺言とは

自筆証書遺言とは、読んで字のごとく自分の手書きで作成する遺言書のことです。

公正証書遺言が、証人二人の関与が必要となるのに対し、自筆証書遺言は、誰も関与することなく作成することができます。

手軽で比較的簡単に作成できる自筆証書遺言ですが、その作成に当たっては法律上定められている作成要件を満たす必要があります。

仮に、作成のルールに従っていない場合、せっかく遺言書として遺していても、遺言としては無効として取り扱われることになりかねません。

そのため、作成の際には遺言書作成のルールに従っているかどうかを慎重に確認していく必要があります。

 → 自筆証書遺言は手軽に作成できる。しかし、無効とされやすいので作成のルールを守るように気を付ける。

自筆証書遺言の書き方

自筆証書遺言は、次のルールを守って書く必要があります。

1.本人が全文自筆で書くこと
 ワープロやパソコンで作成したものは自筆証書遺言としては認められません。一部をパソコンで作成することも認められていないため、例えば財産の目録だけパソコンで打ち込んでいたという場合でも自筆の要件を欠くものとされています。また、ホームビデオで希望を述べていたとしても遺言としての効力は認められていません。

2.遺言書を作成した年月日を記入すること
 元号でも西暦でも構いません。年月日は日付が特定できることが必要です。吉日との記載では日付を特定できないため要件を欠くものとされます。遺言は15歳に達していることが必要なためその確認をするという意味合いと、遺言書を複数作ったときに後の遺言が有効とされるためどちらを先に作成したものか確認するために要求されています。

3.署名・押印をすること
 押印は、認め印でも拇印でも大丈夫ではあります。しかし、認め印や拇印は後々争われる可能性がありますのでできる限り実印で押印されてください。

以上の3つが自筆証書遺言において最低限守らなければならない要件となります。

そのほか、一般的な契約書と同様に、遺言書が2枚以上にわたる場合にはホチキスでまとめて契印を押します。また、財産を譲り受けるのが相続人なら「相続させる」、相続人以外へ譲る場合は「遺贈する」など文言として気を付ける点もあります。

民法第968条1項
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自署し、これに印を押さなければならない。

→以上が自筆証書遺言の作成上のルールとなります。要件を満たさない遺言は、法的に無効となってしまいますので作成の際は気を付けてください。

自筆証書遺言の訂正方法

自筆証書遺言は、その訂正方法が通常の契約の場合と異なっており、より厳格となっています。訂正方法を誤ると訂正が無効となって訂正前の遺言が実行されてしまいますのでご注意ください。

自筆証書遺言の訂正方法は次の通りです。

1.元の文言が判読できるようにして訂正箇所に二重線を引き、加える文言があれば近辺に記入する。

2.訂正箇所に、署名押印に使用した印鑑で押印をする。

3.訂正した場所の欄外に、「本行」あるいは「第1条の2行目」など訂正場所を分かるようにして、「何文字加入何文字削除」と変更した旨を書いて、その場所に署名をする。

(訂正例)

       

 

民法第968条2項
自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 → 遺言書の訂正については民法上厳格に定められており、訂正の仕方を誤ると訂正が無効になってしまいます。そのため、訂正に不安がある場合は、遺言書を書き直した方がよいでしょう。

自筆証書遺言書の封入・封印について

遺言書をそのままの状態にしておくと、第三者による書き換えの危険性が生じることになりますし、効力が争われることにもなりかねません。そのため、法律上そこまで求められていませんが、遺言内容を秘密にし、改ざんされるのを防ぐためにも、封筒への封入・封印をお勧めしています。

自筆証書遺言を、封筒に入れて封印をする場合には、次の点に注意してください。

1.封筒の表に『遺言書』、裏に作成日・署名・押印をして封印をすること。
何も書いていない封筒に入れておくと、後で訂正したい場合に探すのが大変になったり、相続人が遺言書だとわからず発見までに時間がかかることがあります。

2.封筒の裏に『家庭裁判所で検認を受けるまで開封しないこと』と記載すること。
封印がある遺言書については、家庭裁判所で、相続人または代理人の立会いがなければ開封ができないことになっています。開封したとしても無効になることはありませんが、5万円以下の過料に処せられます。相続人が知らずに開封してしまうことのないように、封筒に開封しないよう記載してください。

(封入例)

       

民法第1004条3項
封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。


民法第1005条
前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。

 → 遺言書の封入・封印はしなくても無効となることはありません。しかし、改ざんを防ぎ、疑義をなくすためにも封入・封印をすることをお勧めします。

自筆証書遺言の保管

自筆証書遺言は、公正証書遺言と異なり、滅失や書き換えられてしまう恐れがあります。そのため金庫にいれるなど保管場所には十分注意してください。

また、改ざんをされないようにわからないような場所に保管してしまうと、相続の際に発見されず、せっかく作成した遺言が意味のないものになってしまいます。そのため、信頼できる相続人に、遺言書を書いたこととその保管場所は伝えておかれるのがよいでしょう。

 → 自筆証書遺言は、保管場所に気を付ける。また、信頼できる者に保管場所を伝えておくのが望ましい。

自筆証書遺言書作成手続きの流れ

自筆証書遺言は、方式不備により無効となったり、内容に不明確な点があって争いが生じる恐れがあるため、専門家のチェックが入ると安心です。そのため、 当事務所では、自筆証書遺言の作成サポートを行っております。
自分で作れないのでどういう風に作ればいいのか教えてほしいという要望から、自分で作ってみたけど効力に問題がないか不安なので見てほしいといったご要望まで、幅広く対応しております。お気軽にお問い合わせください。

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自筆証書遺言に係る費用

当事務所にご依頼いただいた場合の費用についてご説明いたします。

自筆証書遺言書作成 30,000円~(内容確認・調査・作成までのセット価格)
※最終的なチェックのみをご依頼したいという場合、完成具合により費用は増減します。お見積り致しますのでお気軽にお問い合わせください。

※消費税・実費は別です。

自筆証書遺言は、無効にならないように作成することが大切になってきます。自分で作成してみたけれどきちんと通用するものとなっているか不安な方は、せっかく相続人のためを想って作った遺言書です。遺言書の実効性を高めるためにもぜひ専門家のチェックを受けてみてください。

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